今日も明日も親父も野球:第十四話「上野、リトルやめるってよ」

小学6年の春先だろうか。

 

帰宅すると、親父に

 

「来週からリトル行かなくていいからな!」

 

あまりにも急な事で、黙ったまま。

 

「!?!?!?…俺何かしたっけな………」

 

と、咄嗟にめっちゃ考えたがわからなかった。

 

ただ、

 

「辞めたくないな。」

 

みたいな、悲しさや寂しさは無く、

 

「やった!リトルやめてシニアに入れる!」

 

と思っていた。

 

リトルをやめた理由だか。

 

親父がリトルの監督にお酒の席で、

 

「お前のノックは、もう死んでいる!」

 

と言ったことが発端だと後に聞いた。

 

 

ケンシロウかよ。

 

 

話を戻そう。

 

そんな感じで、俺は小学6年の春にリトルをやめ、船橋シニアに入る事にした。

 

兄が、シニアに通っている頃からたまにシニアの練習を見学したり、ボール拾いなどさせて貰っていた。

 

辞めた事が、良かったのか悪かったのか、わからない。

 

ただ、シニアの監督に

 

「お父さんがリトルの監督と喧嘩したって野球をやるのは啓輔だから、どこでも関係なく頑張ればいいんだよ。シニアにはいつでも来れるんだから、もう少しリトル続けなくていいのか??」

 

と、一対一で話してくれたのを覚えている。

 

ただ、そんなシニアの監督の思いやりも、シニアへの憧れでワクワクの小学6年の俺には届かず…

 

監督の話を遮るように、食い気味に

 

「シニアに入りたいです」

 

と言った記憶がある。

 

シニアの練習は、活気がありとても賑やかで楽しそうな印象だったから、リトルを辞めシニアに行くことに何もネガティヴに捉えていなかった。

しかも、行くと必ずジュースやらお菓子をたくさん貰えて、野球以外の楽しみがそこにはあった。

 

しかし、入ってから早々に気付いた…

 

俺は、まやかしのVIP待遇を受けていたことに…

 

 

続く。