今日も明日も親父も野球:第八話「寝る子は育つ」

小学四年で身長が11センチ伸びたと話したが、牛乳をがぶ飲みし激太りからの激しいランニングをしたからではないと思っている。

 

その頃、親父の仕事は、中距離トラックの運転手だった。

朝方3時や4時に自宅を出て夕方に帰宅していた。だから、親父は寝るのが早かった。

団地住まいだったし俺たち兄弟に自分の部屋なんてものは無く、親父の就寝時間と共に早く寝かされていた。

むしろ学校や野球で毎日疲れきっていたから起きている方が辛かった。

 

九時頃には布団に入っているため、学校で流行りのテレビやタレントなどの話題には全く入れなかった。

ただ、そんな事気にもならなかった。

気になる暇もないほど野球と親父のことが頭にあったし「野球がうまくなればいいや」と、ほとんどの事がどうでも良かった。

 

その頃になると俺と親父が公園で練習をしていても同級生は全く声をかけなくなっていた。

それは俺を無視とかではなく、同級生なりに最大限に空気を読んでくれていたのだと思う。

放課後に同級生は皆遊ぶ約束をしていたが「けいすけは野球で忙しいもんな!頑張れよ!」そんな風に気を使ってくれた友人もいた。

 

 

話を本題へ戻そう。

この九時頃に寝る習慣は中学卒業まで続いた。

 

俺は思う。

 

まず、オカンの食事。

この食事の量は、食事と言うか、二頭の動物にエサやり状態だったと思う…また別話で話そう。

 

次に、睡眠時間。

寝ざるを得ない状況だったが俺の体が育っていく上でかなり重要な事だったと思う。

 

俺の身長は193…普通じゃない。

わかっている。しかしこれは、遺伝じゃない。

親父は174センチ、オカンは161センチ。そんなに大きくない。

この親の身長を、話すとよく言われるのが「あっでも親の世代からしたら大きい方だよ~!」…それで193にまでなるだろうか。

ならないでしょ。

ちなみに、兄貴は185だ。

 

「どうしたらそんなに大きくなるんですか??」

大人からも子供からも聞かれる。

 

俺は答える。

「たくさん食べて、睡眠時間はたくさん取るように。」

ありきたりだが、この他に最善の方法は俺は考えられない。身をもってそう思っている。

 

両方大切だが。特に、睡眠時間だと思う。

 

現在の仕事で、多くの子供たちと話をするが俺は必ず「みんな何時に寝てる??」こんな質問をする。

「10時すぎ!」「マツコ見てから寝る!」

…答えは様々。

とにかく、寝る時間が遅い。

俺の少年時代のように野球だけを考え、野球漬けの毎日を送って欲しいとは思わない。むしろそれは避けたほうがいい。

家でも学校の宿題や習い事の勉強や色々やることがあるだろう。

しかし、丈夫な体、健康な体に成長するよりも大切なことがあるだろうか。

成長著しい子供たちの生活リズムに驚かされる。

 

 

親父の仕事柄、就寝時間が早く、俺たちは親父の道連れな感じで睡眠時間を取るように育った。けど、結果それが良かったと思っている。

オカンは本気で俺たちを丈夫な体に育て、大きくしようとしていたと思う。

食生活を思い返すとオカンの”意思”がかなり伝わる。

 

「野球選手になりたい」と言った日から「野球選手になるため」の強烈な日々に一番の巻き添えを食らったオカン。

でも俺たちを一番支えていたのも間違いなく…

 

オカンだ。

 

 

続く。